東條真人氏の講演「古代におけるイランと日本の文化交流の歴史」を聞いて
  1月21日(日)に「古代におけるイランと日本の文化交流の歴史」の講演会は、興味深いものでした。

 1) 外面(経済)のつながりだけでなく内面(文化)のつながりをアブラハミアン医師の問題意識は、日本とイランという人間集合体の石油という表面的なつながりではなく、文化という内面のつながりにもっと着目すべきであるという点にありました。

「日本とイランは、石油などの経済関係という心の外側、すなわち外面的表面的なつながりとなっていて、内面のつながりに欠けている。平和的関係の土台には、内面的な交流が重要である」

そうした観点から、イランと日本の内面生活の共通性を探るのが今回の講演の視点でした。
 これをクリックすれば、東條真人氏がプロジェクターで説明したすべてがでてきます。http://www.hcn.zaq.ne.jp/shamogoloparvane/Speech_Text_Part1.pdf 

2) 
日本文化とイラン文化の共通の基底にスィームルグ文化がある。 イラン文化を考える際に私は、イスラム文化の底流にゾロアスター教の二元論が流れているという見方をしていました。いわば、◎の真ん中が、イランの固有のゾロアスター教、その周囲を覆っているのがイスラム教という見方をしていました。ところが、東條氏の講演は、いわば、三重の○でした。

ゾロアスター教の以前にあったスィームルグ(イラン)文化が、ゾロアスター教、イスラム教の時代もふくめて、その基底に働いているという見方でした。 そして東條氏の講演の趣旨は、スィームルグ文化は中央アジア全域にわたっており、日本の神道、仏教思想の下敷きとして働いており、

日本とイランの両文化の基層に共通のスィームルグ文化があるというものでした。 サーカーは、人類社会の「多様性における統一」にあたって、統一を促進する共通性の面に光をあてなさいと言います。そういう意味で、東條氏の講演は、貴重な問題提起であったと思います。
 3)  スィームルグ文化の特徴スィームルグ文化の特徴は、古代ヴェーダ時代のインドの思想を現在に復活させたサーカーの思想の特徴ととても似た面がありました。 (おそらくスィームルグ文化を担ったアーリア人(イラン人)のもっとも古いものの一部はインドに侵入していったヴェーダを担ったアーリア人だったからではなかろうかと思いました)
 東條氏がスィームルグ文化の特徴として紹介されたものは、次の点でした。 
(1)    
万物を一体のものとして見、すべてのものに神性を見る
ですから、ゾロアスターのように二元論で見ないのが、原イランの文化の特徴であるとういうことでした。これはサーカーなどの「ワンネス(一体性)」の哲学と似ています。
 (2)     万人が神とつながっている。すなわち、神はぶどうの一つの房のように一人一人の人間として現れている。(その意味では、教祖の考えがなく、すべての人が神とつながり、ぶどうの房のように集まって神を形成している。・・・私たちユニヴァーサル・ジャパンは、一人のグルの教祖がいるのではなく、サーカーとウィルバーから学びつつも、一人一人が神としてぶどうの房のようにともに進んでゆくスタイルをめざそうとしているので、このスィームルグ文化は私たちにぴったりだなと思いました) 
(3)    
自治と自決・・・神が決めるのではなく、人間に自治と自由を与えている。(4)     正義と平等・・・・人はみな神とつながっている故に、正義と平等がなくてはならない。。
  (5)     自然、生命、知性の三つの存在として宇宙は顕現している
  (6)     輪廻転生を信じている
 4)日本の神仏習合は、このような中央アジアのスィームルグ文化を背景にしている。すなわちマニ教と大乗仏教にのみ諸宗教の習合が見られる。スリランカや東南アジアにつたわった仏教には習合が見られない。この諸宗教の習合は、多様な民族を統合して統治した中央アジアにみられ、特定の教祖をもたないスィームルグ文化を背景としている。
 (私たちはユニヴァーサル・ジャパンの理念として3・3統合アプローチ http://www12.ocn.ne.jp/~kitsumi/33tougouaproach.html を提起しましたが、それは、諸宗教のみならず、近代的な民主主義思想、科学思想も、すべて含んで進もうという意図をもっており、スィームルグ的諸宗教の習合と重なる点があります。私たちのめざす、国内の諸グループ、あるいはグローバルな規模での「多様性における統一」とは、ワンネスの哲学のもとに様々の潮流を「含んで超えて」統合してゆくことにあります。)

講演会の参加者の感想文

نظر شرکت کنندگان در سخنرانی

1-.

2-

 正直言って非常に難しい内容でした。日頃からイラン文化と日本仏教に関心を持って接していなければ、講演を理解できないと思いました。イラン文化が歴史的にちイスラム文化だけではないということや、日本の仏教文化に影響を与えてきたことなど、初めて知ったことばかりでした。またジャム先生のイランと日本の関係が石油での二国間の関係だけでなく、お互いの歴史・文化を通じてのより太い結びつきを探ろうとしていらっしゃることがよくわかりました。
 私たちは今、米・英そして日本のグローバル資本主義の中東支配とイスラム政治勢力に対して、非暴力・政教分離で闘うIFCを支援し、イラク・イラン・アフガン・パレスチナなど中東と世界をつなぐ衛星テレビの開設に取り組んでいます。テレビが実現すれば、イラク・イラン(IFCにはイランの平和勢力も加盟しています)の民衆と世界の文化的な交流も可能となるでしょう。「1/27イラク全占領軍撤退 IFC連帯集会」はイラクの現状報告と平和テレビの進捗状況、そして中東産油国に戦力を持って独自の利権を打ちたてようとする安倍政権と対決する集会を作ろうとしています。都合が宜しければぜひご参加ください。
吉見道夫 

3-

東條真人(Masato Tojo)

sobh bexeir.

 

We arrived at Tokyo midnight of January 23th.

Thank you very much for giving us a chance to share such a nice time. 

I have an idea/plan to unfold the Yamato=Yema.

I will write it down in about two weeks and send to you.

  

これからも、どうぞよろしくお願いいたします。            
BEHROOZ o PIROOZ bashid.
敬具  
東條真人

4-

Dear Dr.Jamshidi
I wish to thank for your brilliant idea over holding this seminar and your kind hospitality during the event, however since I was so fixed in the discussions
and chating with other friends I missed the avilability of a published book written
by Prof.Tojo so I would be grateful if you let me know how I can purchase that.

Kind regards,

A.

「古代におけるイラン・日本の交流の歴史」は大成功でしたね。 
ジャムシードさんの思いはすでに、含んで超える証しとして、講演会に集まられた人たちにつながったと思います。
本当にご苦労様でした。 
ジャムシードさんの努力は、きっと現代のイラン・日本の交流の幕開けになるでしょう。
 
三重野紘一

5-

6-

講演会は成功でしたね。
非常に難しい話がずいぶん分かりやすく説明していて驚きました。

森安